(1)ナイキの新しいランニングシューズの考え方とは?
いまやナイキというブランドは知らない人はいないと思いますが、ランニングシューズの世界において、男女のシューズで異なる設計を始めた最初のメーカーであることを、知る人は多くはありません。
ナイキではランニングシューズの足型において、女性専用の足型をいち早く取り入れた。今回紹介したい「ナイキ ルナグライド+」ももちろん男性用と女性用で違う特徴をもっています。
ナイキが新しく提案するランニングシューズ「ルナグライド+」はかかと部分に衝撃吸収素材「クラッシュパッド」が使われています。
(2)女性用ランニングシューズの特徴
女性用のランニングシューズでは、ミッドソール(シューズ本体と靴底の間の柔らかい層)にかかる圧力が弱い分、かかと部分をより柔らかく設定してあります。また女性は外側から着地しがちです。かかとの衝撃吸収素材に角度をつけることで、自然とこの足運びを矯正する効果を狙っています。
また「アーチストラップ」というパーツは、女性のランニングシューズだけに設置されたナイキならではのパーツと言えます。中足、すなわち親指のつけねの内側の部分に伸縮性のある素材を使うことで、前足の幅にあわせてランニングシューズがフィット。中足部を柔らかくサポートするナイキらしい工夫です。
またかかと部分の芯になる部品は2つのパーツで構成することで、かかとの大きさに個人差がある女性に合わせた設計がしてあります。これも女性専用の設計となっています。
(3)何故、ナイキでは女性用のランニングシューズにこだわるか?
ではナイキではどうして女性用のランニングシューズにここまで気を使っているのでしょうか?
これは世界的な経営戦略をとっているナイキが独自にリサーチして出した、「ランニングブームを牽引しているのは女性だ」という見解から来ています。
そのためにナイキでは2000年に入る頃から女性専用の足型やデザインを取り入れてランニングシューズを開発してきたそうです。
またナイキの調査によると、ランニングに対する女性特有の興味深い意識があります。それは女性の場合、健康維持の手段としてランニングを捉えるだけでなく、友人とのコミュニケーションの一環として考えているといいます。女性用のランニングシューズの開発に力を注ぐことで、口コミでもナイキのランニングシューズの良い評判が広がることが期待できます。
流行やトレンドに敏感な女性を意識した開発によって、女性用のランニングシューズはやっぱりナイキというトレンドが作られているといえるかも知れません。